バレーボール
バレーボールにはほとんど興味がありませんが、日本代表の構成をみていてあることに気づきました。
男子はほとんど大卒(サントリーの2名を除く)。これはラグビーやアマチュア時代のサッカーと同様、ダメスポーツの典型的パターンです。サッカーにしろ野球にしろ一応世界に通用している競技は大卒依存を脱却しています。
逆に女子は2名を除いて全員高卒。思えばオリンピックで金をとった日紡貝塚や日立武蔵(どちらも実質単独チーム)は全員高卒だったはず。大卒が混じりだしてから弱くなったのか(笑
バレーボールは性差のある競技で、男子はカレッジスポーツ、女子は労働者スポーツといえるのではないでしょうか。男子バレーと女子バレーは社会学的?には別種のスポーツだと考えたほうがいいようです。
川島雄三監督の戦時中の監督デビュー作『還って来た男』(1944)に女子工員がバレーボールをしているシーンがありました。戦前すでに女子工員が休息時間に行うスポーツとしてのイメージが定着していたようです。戦前から戦後のある時期まで、日本工業の主産業は繊維工業(日紡貝塚=大日本紡績貝塚工場)で、労働者のほとんどは野球もサッカーもするはずのない女子工員。女性が“する球技”=バレーボールであったことが、日本におけるバレーボール人気の基盤だと思います。
1958(昭和33)年の学習指導要領(この年度から学習指導要領は強制力をもつようになった)に、義務教育レベルにおける球技として、野球(ソフトボール)、サッカー、バレーボール、バスケットボールの4種が採用されました。バスケット以外の3種は国民的スポーツ化しています。サッカーとバレーは1960年代にブームが起きていますが、当然義務教育課程化と関係があると考えるべきでしょう。
Comments
日本で野球やバレーに人気があった理由の一つに、1対1の直接対決がなく、監督の支持に従えば良いという自己判断放棄があるような気がするのですが、どうでしょう。
Posted by: 菅大納言 | November 22, 2006 10:35 PM
野球は基本的には投手(バッテリー)対打者の1対1対決型競技なのではないかと。
どの競技でも監督が選手を100%コントロールするということはありえないと思います。戦術型スポーツの極致といえるアメフトでも近年QBのオプション・プレーの比重が増しているようです。
Posted by: 蹴球閑人 | November 23, 2006 09:23 PM
>監督の支持に従えば良いという自己判断放棄
それはサッカーの本質にかなっておらず、日本人はそういうサッカーしかできないことになっていて、だから日本のサッカーは……
……というのは、かれこれ30年くらい、出ては引っ込みしている俗論です。昔は日本サッカーーが低迷原因の根源とされてきました。
未だにそれが生きているわけで、それが、元スーパースター兼監督としては無能な人物を温存させ、W杯敗退を招来したのです。
Posted by: さけのべ | November 23, 2006 11:12 PM