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『蹴球』誌ベスト記事

日本サッカーミュージアムHPで無料全文アクセスできるようなった大日本蹴球協会機関誌『蹴球』には多数の記事がありますが、ベスト記事をあげるなら、私は以下をとります。

竹腰重丸 「オリンピックの成果(一)」『蹴球 5巻1号』 「オリンピックの成果(ニ) 3バックス制に就いて」『蹴球 5巻2号

竹内悌三 「欧州の蹴球」『蹴球 4巻6号』 「欧州の蹴球(二) 英国蹴球断想」『蹴球 5巻1号』 

竹腰の記事は、後藤健生氏の『日本サッカー史』(双葉社, 2007)において、ベルリン五輪における日本の戦術を記述するのに援用されています。戦前の日本代表がモダン・フットボールにも通ずる戦術水準に達していたことを示す文献です。

竹内の記事は、氏の没後50年を経過していたので、不肖私が復刻してみましたが、オリジナルの方を是非読んでいただきたいです。欧州各国のサッカー・スタイルを比較・検討し、日本と対比した初の文献といっていいでしょう。日本初のセリエA観戦記があります。イングランドの「蹴り合い」サッカーに批判的で、大陸(イタリア)のサッカーをより高く評価しているところは、後年のエリック・バッティの30年先を行っています(笑)。

欧州サッカーの最新情報を吸収したこの2人は、1940年「幻の東京オリンピック」が開催されていたなら、おそらく竹腰監督、竹内アシスタント・コーチとして日本代表を指揮していたはずです。それだけに、ベルリン(ベスト8)以上すなわちメダル圏内の成績を期すための真摯な問題意識が文中随所に感じられ、日本サッカーの強化とその課題についての深い洞察に満ちています。

上記文献は日本サッカー史の第一級史料といって差し支えないものです。未読の方は是非お読みくださることをオススメいたします。
       

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