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Uボートのサッカー・チーム

各国海軍はサッカーを奨励し、日本でも最初に“フットボール”をした日本人はイギリス人が指導した海軍兵学寮生徒だった可能性が高いようです。大正時代の帝国海軍戦艦にもサッカー・チームがあったようです。→「帝国海軍の軍艦にもサッカーチームがあった

ドイツでも同様で、ペーター・クレーマー著『Uボート・コマンダー : 潜水艦戦を生きぬいた男』(井坂清訳 早川書房 1994 ハヤカワ文庫. NF)によれば、各Uボート戦隊のサッカー・チームが戦時中も試合をしており、その戦績をイギリスの対独謀略放送、「大西洋放送」がスポーツ・ニュースとして放送していたそうです。ということは、どの戦隊が出撃中か待機中かはイギリス側に筒抜けだったということです。

“やがてとうとう、「大西洋放送」は最新のスポーツ・ニュースまでも扱いはじめた。これは容易にできることだった。イギリスはすでに、各戦隊のスポーツ活動を監視できるほどのスパイを各基地にもっており、どのUボートがまだ基地におり、どれが出撃しているかも推定できた。スパイが試合の結果と選手の名前をロンドンに知らせると、たいていその日の夕刻には、「大西洋放送」はこんなぐあいに放送した。「本日午後、ラ・ロシェルの第三戦隊とボルドーの第一二戦隊が試合し、五対三で第三戦隊が勝った!」それから得点者の名前が続く。海軍内ではスポーツが公式に奨励されており、また軍の中でも人気があったので、どっちの戦隊が勝ったかを洋上の乗組員が知りたいと思うのは当然である。U333でも私が選んだ者は熱心なスポーツマンで、大西洋に出たあと、電信員が敵の放送でスポーツ・ニュースを聞き、仲間に結果をささやいていたことを私は知っている。だがこれは、黙認せざるを得なかった。”(p.198)

著者はUボート(U333)艦長。図に乗ったイギリスは、さらに「短波大西洋放送」という謀略放送も加えましたが、その創設者は戦後ジェームス・ボンドが主人公のスパイ小説007シリーズの作者となるイアン・フレミングだったそうです。

戦後西ドイツは1954年ワールドカップで優勝しますが、その素地はこういうところにあったことがわかります。

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