岡部平太のパリ・オリンピックサッカー観戦記① 「ア式蹴球開始」『世界の運動界』より
“ア式蹴球開始
(五月二十四日巴里發朝日新聞電報)
五月二十四日 アッソシエーション・フットボール・オリンピック競技は愈々コロンボ、パーシング、ベルゼールの三ケ所に
分れて開催、ラグビーが僅か三国だったのに反し、今度は参加国廿二、選手の総数五百六十人に上る大規模のもので今後毎日予選をやり三十日より最強ティームの準優勝戦に移り六月九日コロンボで優勝戦を行ふ筈。目下の処、最も強く思はれるのはチェコスロバキアでウルガイも強いといふものがある。尚英国が前のラグビーにも今度のア式にも出ないのは注目すべきだ。コロンボでやる伊太利対スペイン競技は去る三月ミランに於ける試合に際し〇対〇で無勝負に終ったものだけに非常な興味で迎へられて居る。
五月二十五日 打ち囲むスタンドの屋根を遠く層雲動かず。巴里の夏今日より漸く酷ならんとする蒸熱き日の午後コロンボ球場では第八回オリンピックア式蹴球の劈頭戦イスパニア対伊太利の決戦が開始された。この日第二会場パーシングフヰールドではスイス対リスアニア及び米国対エストニアのゲームがあり第三会場のベルゼール球場ではチェコスロバキア対トルコの試合があった。然し観衆は優勝候補の一と目せらるる伊太利対イスパニアの試合に集中された。”(p.273-274)
参考:1924年パリ・オリンピック記録(FIFA)
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