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日本サッカー通史の試み⑬ 中等学校大会の全国選手権化 全国中等学校蹴球大会 

13. 中等学校大会の全国選手権化 全国中等学校蹴球大会

 前回で日本フートボール大会をとりあげたので、時代が下ってしまうが、その先へ進むことにする。

 第9回大会から、全国中等学校優勝野球大会と同様に、全国を対象に地区予選を行い、地区大会優勝校が本大会で全国優勝を争う全国選手権となり、大会名も全国中等学校蹴球大会と改称される。第9回~第22回全国中等学校蹴球大会(1926.1~1940.8)の本大会の出場校数、出場校、ベスト8、ベスト4、優勝、準優勝校は以下のとおりである(出拠:全国高等学校体育連盟サッカー部編『高校サッカー60年史』(全国高等学校体育連盟サッカー部 1983))。

第9回(1926.1) 8校
【関東】暁星中 【北陸】神通中 【東海】愛知一師 【京滋奈】京都師 【阪和】桃山中 【兵庫】御影師 【中国】広島一中 【朝鮮】培材高普
ベスト8 同上
ベスト4 御影師 暁星中 広島一中 京都師
優勝 御影師 準優勝 広島一中

第10回(1928.1) 8校
【関東】東京高師附中 【北陸】富山師 【東海】岐阜中 【京滋奈】京都師 【阪和】都島工 【兵庫】御影師 【中国】広島一中 【朝鮮】平壌崇実
ベスト8 同上
ベスト4 都島工 広島一中 東京高師附中 平壌崇実
優勝 平壌崇実 準優勝 広島一中

第11回(1929.1) 8校
【関東】青山師 【北陸】富山師 【東海】愛知一師 【京滋奈】滋賀師 【阪和】明星商 【兵庫】御影師 【中国】広島一中 【朝鮮】平壌高普
ベスト8 同上
ベスト4 明星商 平壌高普 青山師 御影師
優勝 御影師 準優勝 平壌高普

第12回(1930.1) 9校
【北海道】函館商 【関東】東京高師附中 【北陸】富山師 【東海】愛知一師 【京滋奈】京都師 【阪和】市岡中 【兵庫】神戸一中 【中国】広島師 【九州】熊本二師
 ベスト8 函館商 東京高師附中 富山師 愛知一師 京都師 市岡中 神戸一中 広島師
ベスト4 東京高師附中 広島師 市岡中 神戸一中
優勝 神戸一中 準優勝 広島師

第13回(1931.1) 9校
【北海道】函館商 【関東】青山師 【北陸】富山師 【東海】愛知一師 【京滋奈】京都師 【阪和】堺中 【兵庫】御影師 【中国】広島一中 【九州】熊本二師
ベスト8 函館師 堺中 京都師 広島一中 熊本二師 青山師 愛知一師 御影師
ベスト4 堺中 広島一中 青山師 御影師
優勝 御影師 準優勝 広島一中

第14回(1932.1) 12校
【北海道】函館中 【東北】宮城師 【北関東】埼玉師 【東京】青山師 【南関東】関東学院中 【北陸】富山師 【東海】愛知一師 【京滋奈】京都師 【阪和】堺中 【兵庫】御影師 【中国】広島一中 【九州】長崎師
ベスト8 青山師 愛知一師 函館中 広島一中 堺中 京都師 長崎師 御影師
ベスト4 愛知一師 広島一中 京都師 御影師
優勝 御影師 準優勝 愛知一師

第15回(1933.1) 12校
【北海道】函館師 【東北】宮城師 【北関東】埼玉師 【東京】青山師 【北陸】富山師 【東海】愛知一師 【京滋奈】京都師 【阪和】天王寺師 【兵庫】神戸一中 【中国】修道中 【四国】松山中 【九州】熊本一師
ベスト8 宮城師 京都師 修道中 青山師 熊本一師 愛知一師 天王寺師 神戸一中
ベスト4 京都師 青山師 愛知一師 神戸一中
優勝 神戸一中 準優勝 青山師

第16回(1934.1) 12校
【北海道】函館師 【東北】宮城師 【北関東】埼玉師 【東京】青山師 【北陸】富山師 【東海】岐阜師 【京滋奈】京都師 【阪和】明星商 【兵庫】御影師 【中国】広島一中 【四国】徳島商 【九州】長崎師
ベスト8 青山師 京都師 長崎師 明星商 埼玉師 御影師 広島一中 岐阜師
ベスト4 京都師 明星商 御影師 岐阜師
優勝 岐阜師 準優勝 明星商

第17回(1935.8) 12校
【北海道】函館師 【東北】宮城師 【関東】韮崎中 【東京】東京高師附中 【北陸】富山師 【東海】刈谷中 【京滋奈】滋賀師 【阪和】天王寺師 【兵庫】神戸一中 【中国】広島一中 【四国】香川師 【九州】長崎師
ベスト8 宮城師 富山師 東京高師附中 天王寺師 韮崎中 刈谷中 広島一中 神戸一中
ベスト4 富山師 天王寺師 刈谷中 神戸一中
優勝 神戸一中 天王寺師

第18回(1936.8) 14校
【北海道】函館師 【東北】仙台二中 【関東】埼玉師 【東千】東京八中 【山神静】韮崎中 【北陸】富山師 【東海】岐阜師 【京滋奈】京都師 【阪和】堺中 【兵庫】関学中 【中国】広島一中 【四国】高松中 【北九州】海星中 【南九州】熊本師
ベスト8 岐阜師 埼玉師 京都師 韮崎中 高松中 海星中 函館師 広島一中
ベスト4 埼玉師 韮崎中 海星中 広島一中
優勝 広島一中 準優勝 韮崎中

第19回(1937.8) 13校
【北海道】函館師 【東北】盛岡中 【関東】埼玉師 【東千】豊島師 【山神静】湘南中 【北陸】富山師 【東海】愛知一中 【京滋奈】京都師 【阪和】明星商 【兵庫】神戸一中 【中国】広島一中 【四国】高松商 【九州】嘉穂中
ベスト8 函館師 神戸一中 広島一中 豊島師 嘉穂中 明星商 富山師 埼玉師
ベスト4 神戸一中 豊島師 明星商 埼玉師
優勝 埼玉師 準優勝 神戸一中

第20回(1938.8) 16校
【北海道】函館師 【東北】東北学院中 【関東】埼玉師 【東京】豊島師 【山神静】韮崎中 【北陸】富山師 【東海】愛知商 【近畿】滋賀師 【阪和】明星商 【兵庫】神戸一中 【中国】広島一中 【四国】高知商 【北九州】海星中 【南九州】熊本師 【台湾】台北一中 【朝鮮】崇仁商
ベスト8 神戸一中 海星中 崇仁商 埼玉師 明星商 広島一中 滋賀師 愛知商
ベスト4 神戸一中 崇仁商 広島一中 滋賀師
優勝 神戸一中 準優勝 滋賀師

第21回(1939.8) 16校
【北海道】札幌師 【東北】東北学院中 【関東】埼玉師 【東京】青山師 【山神静】湘南中 【北陸】富山師 【東海】愛知商 【近畿】聖峰中 【阪和】明星商 【兵庫】神戸一中 【中国】広島一中 【四国】高松中 【北九州】瓊浦中 【南九州】熊本商 【台湾】台北一中 【朝鮮】培材中
ベスト8 埼玉師 聖峰中 湘南中 青山師 神戸一中 札幌師 台北一中 広島一中
ベスト4 聖峰中 湘南中 札幌師 広島一中
優勝 広島一中 準優勝 聖峰中

第22回(1940.8) 16校
【北海道】函館師 【東北】仙台二中 【関東】浦和中 【東京】青山師 【山神静】湘南中 【北陸】富山師 【東海】刈谷中 【近畿】滋賀師 【阪和】明星商 【兵庫】神戸三中 【中国】修道中 【四国】愛媛師 【北九州】長崎師 【南九州】鹿児島商 【台湾】長栄中 【朝鮮】普成中
ベスト8 明星商 修道中 函館師 普成中 青山師 神戸三中 滋賀師 仙台二中
ベスト4 明星商 普成中 神戸三中 滋賀師
優勝 普成中 準優勝 神戸三中

全国大会のべ出場校の校種別内訳(サッカー)

中学校 66校(40.0%)
師範学校 82校(49.7%)
実業学校 17校(10.3%)
計 165校
(中学校+師範学校 148校(89.7%))

全国大会優勝校レベルでの校種別内訳(サッカー)

中学校 8校(57.1%)
師範学校 6校(42.9%)
実業学校 0校(0%)
計14校
(中学校+師範学校(100%))

 日本フートボール大会時代に引き続き、師範学校が数多く出場し、上位に進出している。戦前の中等教育レベルにおけるサッカーは圧倒的に中学校、師範学校のスポーツであり、実業学校の影は薄かった事がおわかりいただけるであろう。ちなみに、同時期の第11回~第25回全国中等学校優勝野球大会(1925.8~1939.8)のべ出場校と優勝校の校種別内訳は以下のとおりである(出拠:朝日新聞社編『全国高等学校野球選手権大会史』(朝日新聞社 1958))。

全国大会のべ出場校の校種別内訳(野球)

中学校 160校(48.6%)
師範学校 8校(2.4%)
実業学校 161校(48.9%)
計329校
(中学校+師範学校 168校(51.1%))

全国大会優勝校レベルでの校種別内訳(野球)

中学校 4校(26.7%)
師範学校 0校(0%)
実業学校 11校(73.3%)
計 15校
(中学校+師範学校 4校(26.7%))

 野球ではこの時期3連覇した中京商をはじめとして、広島商、松山商、高松商などの商業学校が全国的強豪だった。実業学校の優勝校11校はすべて商業学校である。サッカーが中学校・師範学校のスポーツであったのに対し、野球は商業学校のスポーツであったといえるであろう。また、サッカーの優勝中学校は神戸一中(4回)や広島一中(2回)のような公立進学校であったのに対し、野球の優勝中学校には呉港中や平安中のような私立の「野球学校」が含まれている。

 なお、「日本サッカー通史の試み⑦ 師範学校の雄、御影師範」で触れたように、第12回大会(1930.1)から出場資格21歳以下、第17回大会(1935.8)から同19歳以下という年齢制限が実施されている。21歳以下に制限したということは、22歳以上の選手が中等教育レベルの大会に出場したことを意味する。御影師範はこの制限の直撃を受け、両大会の兵庫県予選で神戸一中に敗れた。兵庫県代表となった神戸一中は両大会で全国優勝している。第17回大会で優勝した神戸一中の主将は、後に年齢別登録制度(例えばU18のような)の実現に尽力された大谷四郎氏であったことは記憶されてよかろう。

 


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