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第9回全国中等学校選手権大会の予選

日本フートボール大会として始まった大阪毎日新聞主催の中等学校サッカー大会は8回までは予選なし、オープン参加の近畿大会で、第9回から全国規模で地区予選を経た全国中等学校選手権大会になる。

残念ながら、全国高等学校体育連盟サッカー部編『高校サッカー60年史』(全国高等学校体育連盟サッカー部 1983)には予選出場校が掲載されていない。そこで、当時の大阪毎日新聞記事から予選出場校と予選過程をたどってみることにする。

1925(大正14)年11月9日付

広島三校蹴球連盟主催、大阪毎日新聞広島支局後援第1回全国中等学校ア式蹴球大会(本大会が結果的に中国、四国地区予選になった)

1回戦(7日) 京都師範 1-0 岡山師範 広島一中 2-1 広島高師附中 山口師範 1-0 山口中 広島師範 1-0 修道中 京都師範 3-0 広陵中

準決勝(8日) 山口師範 1-0 広島師範 広島一中 2-2(CK数7-2)) 京都師範

決勝(8日) 広島一中 6-0 山口師範

1925(大正14)年12月6日付

大会を全国選手権化する社告を掲載

1925(大正14)年12月16日付

全国中等学校蹴球大会
    各地予選決定す
       凄じい各学校の意気込み
 

 本社主催の下に来春一月四日から甲子園で挙行する全国中等学校蹴球大会は、真にわが国蹴球界[?]時代的のものとして迎へられ、全国各地中等学校選手は、今や猛練習を開始し中には新しく練習をはじめた学校さへある程である。殊に斯界の先輩諸氏その他有力なる団体の熱誠なる賛助によって、短時日に拘らず各地の予選準備は着々進捗し、来る廿日の京都滋賀予選を筆頭に全国一斉に予選の火蓋は切られるはずで、各地とも予想外の意気込を示してゐる。

サッカー予選

京都滋賀 来る廿日=京都師範校庭(主催京都蹴球団、後援本社京都支局) 
紀和大阪 廿六、廿七、廿八日=大阪天王寺師範校庭(主催大阪サッカー倶楽部、後援本社)
兵庫 廿六、廿七日=神戸東遊園地(主催神戸高商蹴球部、関西学院高等部蹴球部、後援本社神戸支局)
関東北 廿七、廿八、廿九日=会場選定中(主催大日本蹴球協会関東支部、大学専門学校学生蹴球連盟、後援東京日日)
東海 廿六、廿七、廿八日=名古屋鶴舞公園(主催本社名古屋支局、後援大日本蹴球協会中部支部)
北陸 廿六日=金沢市四高グラウンド(主催第四高等学校蹴球部、後援本社金沢支局)
中国四国 広島県専門学校連盟に於て代表者を推薦
満鮮 京城体育協会並に全満州体育連盟に於て推薦

ラグビー予選
(以下省略)”

1925(大正14)年12月20日付

全国中等学校蹴球大会
   けふ斯界の王国京都で蹴球の開幕戦
     興味ある広島一中の奮戦
        熱と緊張味愈よ加はる

 新春の甲子園における冬の競技の魁である本社主催全国中等学校蹴球大会は各地のファンから多大の興味と熱とを以て注目せられてゐるがその幕もいよいよ今廿日から京都に開かれる京滋地方サッカー予選で切って落されるが蹴球王国といはれる京洛の地の決戦は定めし見物であらう。又本大会として特筆大書すべき事柄としては常にその実力を認められながらも県外試合に出場出来なかったためにその名声を全国に知らしめる事の出来なかった広島一中は本社後援広島高等専門学校連盟主催の大会に優勝したので(十一月に挙行)今度連盟より本年度全国中等学校大会中国代表者として推薦を受け、この権威ある大会のためにその内規を改めいよいよ出場する事に決定したとの飛報を十九日入手した事である。(以下略)”

1925(大正14)年12月26日付

紀和大阪予選(参加校数14校) 1回戦 桃山中 2-0 堺中 市岡中 8-0 生野中 明星商 2-0 高津中 海草中 1-0 池田師範 天王寺師範 2-1 岸和田中 

関東北予選参加19校 暁星中 成城中 独逸協会中 青山師範 豊山中 水海道中 明治学院中 埼玉師範 研心学園中 目白中 東京府園芸校 湘南中 佐倉中 東京府立二中 栃木師範 荏原中 浦和中 東京高師附中 神奈川中(横浜二中の間違いか?)

1925(大正14)年12月27日付

紀和大阪予選 1回戦 大阪市工 5-0 今宮中 2回戦 和歌山中 5-1 八尾中 桃山中 2-0 市岡中 海草中 2-0 明星商 大阪市工 2-1 天王寺師範 

兵庫地方予選 御影師範 3-1 神戸二中 姫路師範 棄権 神戸三中 御影師範 5-0 姫路師範 関学中 4-3 神戸商 神戸一中 3-1 甲陽中 神戸一中 1-0 関学中

北陸地方予選(参加校数4校) 富山中 4-1 富山師範 決勝 神通中 2-1 富山中 石川師範は棄権 

東海地方予選 1回戦 岐阜中 5-0 明倫中 愛知商 1-0 刈谷中 2回戦 静岡中 3-0 武儀中 愛知第一師範 3-0 熱田中 名古屋商 5-1 愛知工 

1925(大正14)年12月28日付

紀和大阪予選 準決勝 桃山中 2-1 海草中 大阪市工 1-0 和歌山中 決勝 桃山中 4-0 大阪市工

兵庫地方予選 決勝 御影師範 4-2 神戸一中

東海地方予選 2回戦 岐阜中 3-0 愛知商 準決勝 愛知第一師範 3-0 名古屋商 岐阜中 1-0 静岡中 

関東北予選 1回戦 浦和中 4-0 荏原中 暁星中 1-0 成城中 水海道中 2-1 明治学院中

1925(大正14)年12月29日付
 
東海地方予選 決勝 愛知第一師範 2-0 岐阜中

関東北予選 2回戦 東京高師附中 4-0 研心学園 独逸協会中 2-0 横浜二中 埼玉師範 1-0 豊山中 青山師範 5-1 目白中 暁星中 2-1 浦和中 水海道中 4-0 佐倉中 東京府立二中 棄権 湘南中 栃木師範 6-0 東京園芸 3回戦 東京高師附中 4-2 独逸協会中 青山師範 4-1 埼玉師範 暁星中 1-0 水海道中 栃木師範 7-0 東京府立二中

1925(大正14)年12月30日付

関東北予選 準決勝 暁星中 1-0 栃木師範 東京高師附中 1-0 青山師範 決勝 暁星中 1-0 東京高師附中

1925(大正14)年12月31日付

出場校決定 暁星中(関東北) 愛知第一師範(東海) 神通中(北陸) 京都師範(京滋) 桃山中(大阪紀和) 御影師範(兵庫) 広島一中(中国四国) 培才高普校(朝鮮)

中国四国と朝鮮は推薦により決定。京滋予選は開始の記事はあったが、結果についての記事は見当たらなかった。

北海道、東北、九州は予選対象地域になっていない。この時期東北、北海道地方にも中等サッカーは普及していたはずだが、予選すら行われていない。。『サッカー六十年史』(宮城県サッカー協会 1986)の「宮城県サッカー協会の歩み」には、

“大正15年春、大日本蹴球協会東北支部が発足し、その記念大会として第1回東北蹴球大会を開いた。”(p.9)

とあり、東北帝大、二高、高工、福島高商、東北学院専門部、同普通部、一中、二中の8チームが参加している。第9回大会本大会は大正15年の正月に実施されたのだが、同年春の第1回東北蹴球大会には宮城県だけで中学校3校が参加しており、東北予選や北海道予選が実施されなかったのは、大阪毎日新聞の都合によるものではないだろうか。予選は12月末に開催されており、気候的に無理だったのかもしれないが。



     


   


   

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Comments

毎日新聞には、主催から降りた1966年?までは、地方予選の記録が掲載されていますか。

Posted by: 蹴球亭 | February 15, 2012 at 10:09 PM

蹴球亭さん、こんばんわ。

今、全国選手権化した第9回(予選は1925年、本大会は1926年)から調べているところです。マイクロフィルムなので、メッチャ時間がかかるし、小さい記事は見逃している可能性もあります。近畿以東は年末に、中国以西・朝鮮はそれより早く実施していたようです。

Posted by: 蹴球閑人 | February 16, 2012 at 09:04 PM

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