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日本サッカー・リーグ発足に関する新聞記事

『朝日新聞』1965年2月20日付

サッカーに日本リーグ
     蹴球協会 正式発足を発表

 日本蹴球協会は十九日、東京・代々木の岸記念体育会館で、懸案だった“日本サッカーリーグ”の正式発足を発表した。このほか、第七回アジアユース・トーナメント代表候補、国連二十周年国際ユース・サッカー大会、本年度の事業計画などが発表された。

 日本リーグは日本サッカーの技術向上と普及のために新しく設立されたもので、去る一月有力実業団が大阪で協議、原案がまとまっていたが、このたび正式に発足することになったもの。出場チームは古河電工、日立本社、三菱重工(以上東京)名古屋相互銀行(名古屋)豊田自動織機(刈谷)東洋工業(広島)ヤンマーディーゼル(大阪)八幡製鉄(北九州)の八チーム。

 試合方法はホーム・アンド・アウェー(地元で一回、相手地で一回の二回戦制)で計五十六試合を行なう。日程は五月、六月、九月、十月、十一月の中の他の試合日程に支障をきたさない月の日、祝日を利用して行われるが詳しい日程については近く、日本サッカーリーグ実行委員会を設立して検討することになった。

 国連二十周年記念国際ユース・サッカートーナメント大会は、六月二十日から二十七日までサンフランシスコで行われるが、日本蹴球協会としては先にアジアユース大会候補として選抜した高校選抜から参加資格(六月二十日現在十九歳以下)のあるものを選抜し、選手団十八人(役員を含む)を送る予定である。

 また四月二十四日から五月五日まで東京で開催される第七回アジアユース大会については先に選抜した高校選抜二十五人に大会規定にある満二十歳以下の参加資格のある社会人、大学から十九人を加えることになった。

 日本リーグの新設に伴い、従来の都市対抗、実業団選手権大会は中止となり、新たに第十八回全国社会人大会を設けることになった。

クラマー氏の助言で

[日本リーグとは] リーグ発足の主因となったのは日本のサッカーを建直した西独のクラマーコーチの「試合はすべて90分、フロックのあるトーナメント方式はやめ、総当たりリーグ戦形式にして互いに技術を練磨しなけらば強くならない」というアドバイスによる。

 日本リーグはすべて90分試合とし、ホーム・アンド・アウェーの試合方式で行う。ホーム・アンド・アウェー方式は欧米諸国で採用されている方法で地元で一回、相手地で一回の二回戦制で行うもの。この方式の利点は全国各地で最高の試合が見られることと、連戦の疲労がなくなり、良コンディションのもとで試合が行えるということである。

 有力学生チームは学業、現リーグ、経費等の関係から参加はとりやめたが、協会側としては将来は学生も含め、下部大会(社会人大会)の勝者二チームと日本リーグの下位二チームとの入替え戦制も考えてい(ママ)”

『読売新聞』1965年2月20日付

日本サッカー・リーグ
    8実業団5月発足 6都市を回り持ち

 日本サッカー協会(ママ)は十九日、昭和四十年度の事業日程を発表したが、今後の日本サッカーの主流となる「日本サッカー・リーグ」の発足が正式に決定、古河電工、八幡製鉄など八チームが初年度の参加チームに選ばれた。リーグは五月下旬-六月、九月-十一月上旬の約四か月間にわたって開かれる。全国的なリーグが組織されるのは、プロ野球以外のスポーツでは、日本ではじめてのこころみ。

 「日本サッカー・リーグ」の参加チームは、古河電工、日立本社、三菱重工(以上東京)八幡製鉄(北九州)東洋工業(広島)ヤンマー・ディーゼル(大阪)名古屋相銀(名古屋)豊田自動織機(刈谷)の八チーム。それぞれの都市をフランチャイズとして、二回戦総当たりのホーム・アンド・アウェー方式(一つのカードをそれぞれの地元で一回ずつ、計2回行なう)で試合をする。このため一チームの試合数十四試合、総試合数は五十六試合となる。日本リーグの目的は、選手強化のため、強いチーム同士の試合をふやすとともに、よい試合をファンにみてもらって普及に役立てることだが、将来は地域のリーグ組織をつみ重ねて、ヨーロッパと同じサッカーの組織を作ることをねらっている。

 なおこrまでの都市対抗選手権と全日本実業団選手権は発展的に解消して、全国社会人選手権とし、その上位二チームとリーグの下位二チームの入れかえ戦をする予定。昭和四十年度のおもな日程はつぎの通り。

(以下略)”

『読売新聞』1965年2月24日付

“[外野席]

サッカー組織の革命

 「日本にプロ・サッカーができるんですか?」―サッカー関係者は、このごろ、こんな質問をよく受ける。日立本社、八幡製鉄など、実業団の強豪八チームを集めて、五月から「日本サッカー・リーグ」が発足するが、全国をまたにかけたリーグの組織は、これまでプロ野球のほかになかったからだ。だからサッカーの全国リーグがプロ、あるいは、セミ・プロをめざすものと思われても無理はない。

 しかし、リーグに加わった実業団チームは、セミ・プロ化するつもりは、まったくない。八幡製鉄のマネジャーは「プロどころか、八幡が地元でやる七試合については、入場料をとったら、お客さんが集まらない心配がある。タダなら電車賃をかけても見にくるが、有料では、隣でやっていても敬遠するのが、つましい地方の人の気風だ」という。八幡の場合、これまで都市対抗や、実業団選手権の予選、本大会に遠征する経費が百万円以上もかかっていた。それが、この日本リーグ一本になれば、十分予算内でまかなえる見通しだそうだ。

 協会の役員も、日本リーグの目的は「選手強化が第一。地方の人に良い試合をみせて、普及の役に立てるのが第二だ」といっている。だが、そのような当面の目標のほかに、この試みは日本のサッカー組織の革命のはじまりだ、ということを忘れてはならない。日本リーグの下に関東リーグ、さらに、埼玉リーグというように、全国のチームがリーグの積み重なりの中に包みこまれる―これが将来の姿である。

 イギリスでも、ドイツでも、サッカーの先進国は、みなそういう組織だ。そして、西ヨーロッパや南アメリカでは、頂点の全国リーグは、プロかセミ・プロである。だから、日本の将来に、プロの姿が描かれるのは、必ずしも見当はずれではない。国際オリンピック委員会のブランデージ会長が「サッカーでは、プロとアマがひとつになっている」と非難するのも、このこと。日本では、ブランデージ氏のいうことが絶対に正しいと思われているが、サッカーの組織には、ブランデージ氏の知らない長所もある。日本リーグの発足を機会に、そういうことを見直してほしいのである。(牛木)”

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