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嘉納治五郎の題字

現在も完全に廃れたわけではないが、戦前の図書には名士に「題字」を揮毫してもらう慣習があった。「題字」といっても本のタイトルではなく、その人モットーのようなものを書いた。

東京高等師範学校々友会蹴球部編『フットボール』(大日本図書 1908)の題字は嘉納治五郎の「鍛練」であった。

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嘉納は高等師範学校校長以外に大日本体育協会会長、IOC委員、講道館館長でもあったので、スポーツ関係を中心にいろいろな図書の題字を揮毫している。

稲葉言治著『運動競技資料とオリムピック事情』(東京毎夕新聞社 1936)

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本書は1940年オリンピック東京大会開催決定を受けて刊行されたもの。27年間とは嘉納が1909年にIOC委員になってからの年数。オリンピックには1912年ストックホルム大会に初参加し、惨敗続きであったのが開催国にまでなった感慨がよく表れている。

エフ・エイ・エム・ウエブスター著『オリンピック競技史』(日本青年館 1937)

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『習学寮史』(第五高等学校習学寮 1938)

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嘉納は熊本の第五高等学校の元校長でもあった。

『創立十周年記念誌』(自彊会 1935)

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自彊会は関東大震災後に小石川区大塚坂下町在住の在日朝鮮人が設立した在日朝鮮人の相互扶助団体で財団法人。小石川区大塚坂下町の町会会長であった嘉納が世話役のような存在で評議員会会長であった。朝鮮人と日本人の「融和共栄」を揮毫した。

丸山三造編『大日本柔道史』(講道館 1939)

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庄司彦雄, 山本千春著『レスリング』(三省堂 1931)

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有名な「精力善用」は出て来なかったですね。

剣道関係だとさすがに軍人が多く、陸軍大将、海軍大将のオンパレード。皇道派の頭目荒木貞夫はとりわけ多い。人気がある人であること、頼まれると断らない人であることが「題字」の多い人であることの条件のようである。

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