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『附属中学サッカーのあゆみ』「[How To Play Association Football]について」

竹内至「[How To Play Association Football]について」『附属中学サッカーのあゆみ』(東京高等師範学校附属中学蹴球部六十周年誌編纂委員会 1984) pp.23-24

[How To Play Association Football]について

     著作者 チョー・ディン

       (真鍋良一蔵書)

                  (35回) 竹内至

 此の本はビルマよりの留学生であったチョー・ディン氏によって、大正12年8月23日発行されたサッカーの教科書とう云うべき聖書である。この本の序文に次の事が書かれている。「私は又他の人々の意見も聞き、十分に取り入れているので、この本を読まれる諸君が満足を得られるものと信じている。この本を発行するにあたり、ビルマのモン・エッペ、早稲田の鈴木氏、寿谷氏、附属中学校の児島、本田、春山、真鍋氏の親切な御援助、および東京高工の高松氏の日本語への翻訳、平井武氏のこの本に対する、色々の援助に対し、厚く御礼申し上げるものであります」

 文中の鈴木氏は30回の故鈴木重義氏であり、児島→故児島英二(33回)、春山→春山泰雄(33回)、本田→本田長康、真鍋→真鍋良一(34回)であります。この本の製作に就ては、附属の方々が実技の上で関係されたのであります。大正12年から云えばサッカーのルールは何回か改訂されていますので、この教科書はその侭では現在に通用しませんが、まだまだ立派に学ぶべき処もありますし、其の精神は今日も生きていると云えるでしょう。

 しかし何と申すにも大正12年の著作であり、現在の方々には読み辛いし、或は理解が難かしい処もありますので、全文を現代語に意訳する作業を篤志家の御協力で完成しました。

 全文を本書に掲載する事は紙面の都合で不可能でありますので、別の機会に譲る事としチョー・ディン氏の書かれた本書の精神の一部を記載する事と致します。

 サッカーマンに対する忠告

① 競技中は、絶対に利己的、即ち自分だけの功名を考えないようにすること。なぜならば、自分だけの功名は、決して全チームに勝利をもたらすものではなくて、結合・統一された全体の努力が、はじめて成功するものであるからです。故に良いチームの美点は、完全に統一された所のチームワークなのです。

     Union is strength

② Play the Games and not the Gallery。この一句が総てのサッカーマンのモットーでなければならない。観衆からの拍手喝采を考えると、兎角自分自身の功名に走りたくなるものである。チームが獲得した栄冠は、又そのチームを形成するメンバーの名誉なのであるから、公正なる競技によって勝利を得るよう努力すべきである。

③ いわゆる、スポーツマンであってほしい。たとえ敵がファールをしても決して怒ってはならない。各競技者は同胞愛を堅くもたねばならない。

④ 敵を背中から攻撃してはならない。これは紳士として、最も恥ずかしい事であるから。

⑤ 奇声や、不快な声を出さないようにすること。この様なチームと競技することは、最も不愉快なことである。

⑥ レフェリーに対しては絶対に従う事。そぢてその判断については決して苦情を言わない事。”

『How to play association football』は日本サッカーミュージアムのサイトで全文アクセス可

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